犬が眠った日

研究分野は社会学・インターネット上の表現活動。その関係の記事多し

インターネット上で起こった、著作権に関する事例メモ

ここでの「著作権に関する事例」とは、著作権を主張している事例(著作権を守らなかったため、批難された事例)です。

Tumblr」での無断転載の事例

時期

2007年9月11日頃から。

概要

Tumblr」というWEB版スクラップブックで起こった事例。管理人である芋氏が、「Tumblr」に画像や文章などを無断転載していたのが2chのスレッドで批難された。
今後の方針として、「CGの転載は,著作権者の許可が無い限り行いません。」「文章にして1〜2文を目安として,最低限の転載は行いたく思います。」とする。

研究の視点

この他にも、WEB版スクラップブックサービスとしては、「Google ノートブック」がある。その他にも、「ウェブ魚拓や「Yahooブックマーク」が似たような機能を持っている。Googleノートブックでは、クリップした文章などを公開するとき

重要
ウェブサイトからのコンテンツを含むノートブックを公開する際は、コンテンツの作成者の創作努力 (および法的権利) を尊重してください。ノートブックを公開することは、独自のウェブ ページを作成することと同じです。ウェブページに法的に掲載できない内容は、ノートブックにも掲載しないでください。Google のプログラム ポリシーに関する詳細については、ここをクリックしてください。


という記述が出る。自分は魚拓をよく利用するが、そこらへんとの兼ね合いはどうするのか。
今回の事例では、画像と文章では無断転載への反応が違うことも興味深い(2chのスレはまだ詳しく見ていない)。

ニコニコ動画に投稿された動画が、既存の画像を無断利用していた事例

時期

2007年08月19日頃から

概要

まりん氏が書いた四コマ漫画が、ニコニコ動画に投稿された動画(現在は削除されている。削除は、まりん氏とは無関係)の中で無断利用された。まりん氏は、画像の「「まりん」「DKB」以外の名義で公開、または「まりん」「DKB」の表記を消した上での公開、内容を編集したものを公開しないよう」求めていた。

研究の視点

ニコニコ動画には、既存の作品をもとにした作品が沢山ある。それの多くは企業が権利を持つものだが、これは同人作家さんが権利を持つものである。このことは、何か現象としての違いをおこすのか。
興味深いのは、まりん氏が動画を作られたこと自体は、どちらかというと肯定的であること。

今回の動画の件は「ああ、私がやりたかった事を先にやられた!」という悔しさ、一本取られた感も大きいです。そういう事やるのなら私も混ぜてくれ!ていうかむしろ私がやるから!*1なんかアレですよね、これぞ Web 2.0 って感じですね!マッシュアップですね!(←明らかに意味考えないで使ってます)

ニコニコ動画にアップされた動画について - notieren

アニマライトでの無断書評転載の事例

時期

2007年5月19日頃から

概要

アニマライトという企業サイトが、ブログなどで公開されているアニメ、ライトノベルなどの書評を無断転載(キャッシュとして保存)した事例。アニマライトは、インターネット上で公開されている書評を一つの場所に集めて紹介するサイトだった。
書評を書いている人々の間で、問題となった。

研究の視点

この事例は、個人ではなく企業が行った事例。個人と企業では、批難の度合いに何か違いがあるのか。企業と言えば、「利潤を追求する」というのがどうしてもでると思うが、それは関係あるのか。
ここでは、「文章」が無断転載の対象となっている。先のTumblerでの文章と画像の違いとは、何か関連があるのか。

mixiコミュでの、エヴァンゲリオンイラストの無断転載の事例

時期

2007年7月16日頃から

概要

mixiにあるエヴァンゲリオンコミュニティにて、「笑えるエヴァ画像」というトピックがたった。そこでは、絵師が自身のサイトなどで書いたと思われる画像がいくつか貼り付けられた。
その後、2ちゃんねるやコミュニティ内部などから、無断転載として批難の声があがる。
話し合いの結果、絵師が書いたイラストについては

5.他所のサイトに掲載されていた画像は直接貼らず、そのサイトへのリンクという形にしましょう。
 (絵師さんはGAINAXへ申請して創作活動を行っており、GAINAXはその作品の転載を禁じています)

ということになった。

研究の視点

事例としては、一番初めに挙げたTumblerとよく似ている。解決策もリンクを張るなど似たようなものになっている。
この事例の場合は、「GAINAX」という企業が登場しており、そこらへんの権力関係も重要になってくると思う。


他にも色々ありますが、とりあえずここまで。