犬が眠った日

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研究分野は社会学・インターネット上の表現活動。その関係の記事多し

「JAM Project公式リミックス祭 in ニコニコ動画」に対する、いくつかの思い。

このイベントに対して、思い浮かんだことを書いておく。

現状において、「公式」であることはどれほどの創作動機になるのか

現状を見る限りニコニコ動画の作者達は、既存のCDの音源などを非公式に利用して作品を作っている。そして、それを作ることに対して、アカウントの削除などは見受けられるが、裁判沙汰になるような自体にはなっていない。それどころか、権利者側が黙認していることもあってか、比較的、自由に、安全に、安定的に作品を作ることができている。
このような状況の中で、公式で作品を作ることは、どれほど作者の創作動機を高めることに繋がるのか。
書かれている規約を見る限り、その自由度は、現状で作品を作る環境より制限されている。これは、作者のよりよいものを作りたいという動機を上げることを考えた場合は、あまり創作動機を高めることには繋がらないのではないかと考える。
ただし、「公式」というJAMに認められるという気持ち、「祭」という集団的な高揚感が増す状況、権利者に認められるということから、その作品を宣伝の場が広がるという利益などから、創作動機が高まるとも考える。

権利者側の狙い

今回の試みは、古くは漫画の企画などで「新しいガンダムを考えよう」*1とか、「○○の新しい衣装を考えよう」というのと形は同じである。これらは一般に子供向けの企画であり、その子供達を取り込むことを目的としたものである。
今回、もしくは「アニメ・チャレンジオーディション」の場合は、取り込む目的が作品を作る人々だけでなく、それを見る人も取り込むことを目的としている点で新しい。また、より直接的に消費者*2が作ったものの商品展開を考えている部分も「web2.0」とか言う時代を表しているように思う。

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作者と権利者の関係

権利者側と作者側の利害が一致している場合は、大きな問題は無い。
問題は、その意見が合わなかった場合である。権利者側と作者側は協力関係にあるということは、コメントでももらい、自分もそう思う。だが実際は、常に強力関係にあるわけではなく、意見の不一致が存在している。
現状では不一致が起こった場合、権利者側の力が強いので、作品の回収などをしているようである。
この関係は、将来的に今回のようなプロジェクトが盛んに行われるようになっても、変わらないのだろうか。*3

*1:ガンダムは、あくまで例として

*2:個人的には、「消費者」という言葉は不適格だと思う。ドラえもんをいろんな芸術家に作ってもらうというイベントがあった。今回の場合は、その「芸術家」が一般の人々にも広がったものであり、消費者と括るのはやはり不適当だと思う

*3:現状では、変わらない方がいいのか、変わった方がいいのかは、分からない。

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