犬が眠った日

研究分野は社会学・インターネット上の表現活動。その関係の記事多し

2007年の著作権と2008年の著作権

今年もあと数時間を残すところになりました。自分にとって今年は、卒業論文を書く一年でした。テーマは人々の著作権意識。慣習として人々がどのような著作権意識を持っているのかです。なんとか、締め切りには間に合い、今度は試問が待っています。

2007年の著作権

今年の10月頃に、「@nifty」というものを作りました。Niftyのタイムラインサービス(年表作成サービス)を使って、著作権に関する事件などをまとめています。10月以前の情報はどうしても少なくなっていますが、現在116の出来事を登録しました。

これを作りながらなんとなく思ったのは、著作権はその保護も革新も「企業」が重要なプレイヤーなのではないかということです。ニコニコ動画や、アップルのDRM無し曲の発売、Tumblrなどなど。もちろんニコニコ動画Tumblrなどは、その内部の個々人が作品を作ったり、転載したりしています。ですがそのような「場」も、「企業」という存在があってこそ成り立っています。JAM Projectのリミックス企画なども、ニコニコ動画という交渉する企業の存在があったからこそ実現したものであるようにも思います。

個々の創作者に、企業という外枠が加わった。そして、その企業はその創作を進めようとしている。そんな流れがあるように思います。

2008年の著作権

2008年もこの流れは続くでしょう。その一方で、自分は企業ではない団体の動きも気になります。具体的には、「MIAU」のような存在です。NGOなどの歴史が浅い日本では、このような団体がどれほど受け入れられるのか(政府や企業に対してだけでなく、一般の人々にも)怪しいところではあります。「MIAU」は歴史の徒花となるのかどうか。「MIAU」だけではなく、個々人などが直接的に著作権に関わるようになるのか。2008年はその勝負の年でしょう。

では、良いお年を。

追記

はてブ

2008年01月01日himagine_no92Watchdogs, 著作権2004年の 「レコード輸入権」にまで遡らないと大事なものを見落としてしまうぞ、と敢えて言っておこう。

また、この問題を通じて主にBLOG活用者の間で著作権法の改正論議に対するウォッチング的活動が開始され、結果的にこの問題が知的財産推進計画にも謳われている「国民の知的財産意識向上」に繋がったと言える。

音楽レコードの還流防止措置 - Wikipedia

問題自体は本を読んで知っていたけど、これが1つの節目だったのか。今ある有名な著作権ブログの歴史を調べるのも面白かも。

追記2

↑調べてみて。なんとなく仰られたことを理解しました。