犬が眠った日

研究分野は社会学・インターネット上の表現活動。その関係の記事多し

ニコニコ動画「御三家」の分類

概要

 「ニコニコ動画」において「御三家」と呼ばれている「アイドルマスター」、「Vocaloid」、「東方Project」を分類してみる。

 以下、「アイマス」、「ボカロ」、「東方」の表記。

「御三家」について

 「御三家」とは、「ニコニコ動画」において人気の高い三つジャンル、「アイマス」、「ボカロ」、「東方」のことである。その人気を示すデーターとしては、id:myrmecoleon氏の「」がある。

 なお、何をもってして「人気がある」とするかという問題があると思う。上記のデーターでは、「それらのジャンルに関係のあるタグを付けられた動画の総再生数」が「人気」を示す物として採用している。

 個人的には、2次創作を「人気」のバロメーターとして見たい。

誰が作っているか

企業:「アイマス」、「ボカロ」
個人:「東方」

 ここでは、やっぱり「東方」をスゴイと感じる。なして、企業が作るものとタメをはれるのか。ここでは、「プロとアマ」、別の言い方をすれば「大きな販路を持つものと、持たないもの」、「相対的に金があるものと、相対的に金がないもの」という構図を見た*1

 インターネットができれば個人でも大手と対抗できると、嘘か真か、幻想か事実か、今まで実証的な根拠を私は見たことが無い命題だけれども、それはこの事例と関係があるのだろうか。

2次創作に対する態度

作品の利用に関する何かしらの文書を発表した:「ボカロ」、「東方」
作品の利用に関する何かしらの文書を発表していない:「アイマス

 「アイマス」は、「2次創作」に対する王道の対応のような気がする。こういうこともやっているから、態度には少し表れているが。

 ややこしいのは、文書を発表しても「暗黙の了解」が出てくることだ。例えば、「ボカロ」では衣装の製作は制限されている。でも、ボカロのオンリーイベントでも素晴らしいコスプレを見ることができ、クリプトンがそれに何かしらの警告を行ったという話も聞かない。まあ、ネットと違ってリアルのことだから警告がしにくいというのがあるのかもしれないけど。

 そもそも、「暗黙の了解」って、原理的に見つけることができないものだよね。それを見つけたら、例えば「調査の結果、○○の間には□□という了解がある」という記述を書き、それを公表した時点で、それは「暗黙」じゃなくなるんだから。青い鳥みたいだ(これは例えが違うか…)。

感想

もっと色々研究のアイデアが出てくると思うんだが…、うーむ、うーむ。

追記

こんなメモに意見がいただけて嬉しい。

myrmecoleon niconico, video, analysis むしろ二次創作の量より,それにより形成されてるコミュニティの規模が「御三家」のイメージには近いかも。ただいずれにしろ,定量的に当たりづらい。あれでは定量的にニコ動全体と比較しやすいデータとして再生数を

確かに、「ゲームプレイ動画」に何かしらのコミュニティ性を感じることはないです(感じる人もいるだろうから、そういう人へのインタビューも大切だな、うん。)。
定量的な壁は大きいですね。
願いが適うなら、ある動画に何人の「ユニークユーザー」が見ているかも知りたい。現状では知ることは無理ですけれども。

*1:この構図はいつか書きたい