Excelを使った参考文献リスト作成法
概要
論文を書くときは、参考文献リストを載せるなければならない。ただ、場合によっては100を超える参考文献を、決まった順番・様式で並べるのは手間がかかる。
この記事では、学生にも身近なExcelを使って参考文献リスト作成方法を紹介する。
既存の参考文献管理ソフトたち
学術的な文章(論文や学術書、大学のレジメなど)では、書くさいに参考にした文献(参考文献)を載せる決まりがある。これは、自分の研究が先行研究をしっかりと参照していることを示すためだったり、先行研究への敬意を払うためだったり、著作権法上の引用の要件を満たすためだったりする。
ただ、本格的な学術文章を書こうとすると、その参考文献の量は多くならざるをえない。1冊の本や卒業・修士・博士論文などの場合は、100本(冊)を超えることも珍しくない。そうすると、この文章にはどの参考文献を使ったのかを記録する必要が出てくる。題名だけでなく筆者名や掲載雑誌名も参考文献には書く必要があるので、この作業はけっこう大変だ。しかもそれを、決まった順番、決まった様式で書く必要があるのだ。
そのため、専用のソフトも開発された。Wordには「引用文献と文献目録」という機能 *1がある。専用のソフトとしては、有料の「ENDNOTE」、無料の「Mendeley」*2がある。
Excelの使う理由
これらのソフトは便利である。私もこの文章を書いていく中で「Mendeley」を使ってみようかと思い始めた。
しかし、後者の専用ソフトらは操作画面が英語である。Wordの機能は、文献リストを貼りつけるさいに選べる様式が少ない*3。
その分、Excelは操作画面が日本語であり、学生にも身近だ。Wordの場合と違って小回りもききやすい。泥臭い方法ではあるが、手軽という意味ではExcelを使う手もある。次の節でその方法を書いていく。
Excelを使った参考文献リストの作り方
もともとこの方法は、「社会学評論スタイルガイド」の参考文献様式に合った参考文献リストを作るために考えた。このスタイルガイドには「著者名のアルファベット順で文献を並べないといけない」という決まりがあり、それをどうにか楽にできないかと思って考えたものである。
(1)日頃から、Excelに参考文献を書いておく
A列に著者名、B列に出版年、C列にその他の情報(C列では初めからカンマ「,」やピリオド「.」)を書く。
(2)日本人の名前にローマ字でふりがなを書く
A列を全選択して、「ふりがなの表示」をクリック。
名前のセルを選択して、「ふりがなの編集」をクリックし、ローマ字でふりがなを書く
(3)A1を選択して、昇順(A→Z)で並び替える
(4)表を選択、コピーして、Wordに貼り付ける(「テキストのみ保持」)
貼り付ける前に、Word「ホーム」タブの「段落」にある「編集記号の表示」をオンにしておく。そうすると、「テキストのみ保持」で貼り付けたさいに、特殊な空白である「タブ」が「→」で表示される。
(5)参考文献一覧を選択して、タブを「,」に置き換える
貼り付けた文献を選択した後、「ホーム」タブの「編集」にある「置換」をクリック。「検索する文字列」に、タブである「→」の部分を選択して、コピー&貼付け(「→」は見えないが問題なし)。「置換後の文字列」には、カンマ「,」を打つ。「すべて置換」をクリックすれば、完成。
終わりに・その他の形式
論文作成は、学生にとっても教員にとっても効率性の勝負である。効率性を上げれば、内容に集中できる時間が増やせる。この文書がその助けになれば、幸いである。
- PDFファイル形式:【役立ちプリント】参考文献一覧表の楽な作り方.pdf - Google ドライブ
- セブンイレブンネットプリント:プリント予約番号「02705865」(有効期限:2016/04/18 23:59)
*1:ワニchanのぱそこんわーるどさんの解説「Word 2013:新しい資料文献を追加するには」
*2:「文献管理ソフトMendeley: ロンドン留学おぼえ書き」
*3:自身でカスタマイズする方法はあるのだが、その方法も英語で書かれている。また、ややこしそうな方法である