ミクFES'09(夏)レポート2―僕が舞台上に見た初音ミクは、何なのか
前編:ミクFES'09(夏)レポート―僕が舞台上に見た初音ミクは、何なのか - 犬が眠った日
はじめに
このレポートでは、次の二つを書く。
- 着ぐるみを着た人間をあえて「ミッキー」と思うように、観客は透明スクリーンに映った3DCGの初音ミクに対して、何かをあえて思ったのか(初音ミクの仮想性)
- 『マクロスプラス』のシャロン・アップルと初音ミクの違い
この二つのテーマは、野尻抱介氏(id:nojiri_h)の「ミクFES'09のこと - 野尻blog」を参考にしている。
もし前回からの続きとするならば、各出演者の様子を書くのが本筋だ。でも、私には描写力がない。自分に絵画の説明をさせたら、左から右へ上から下へ、各部分をそれぞれ説明しかねない。
そのかわり、私は「僕が舞台上に見た初音ミクは、何なのか」なんていう評論か論文かよく分からないもの書くのが好きだ。だからそれを書きたいと思う。
ミクFES'09(夏)レポート―僕が舞台上に見た初音ミクは、何なのか
石ころが神様になるように、人はものに様々な意味づけをする。
2300人が舞台上に見た初音ミクは、透明なスクリーンに映った3D映像(追記:正しくは3DCG)だった。でも、それ以上の何かであるんだろう。
2009年8月31日16時30分ごろ
10時間ほど電車に乗って、東京の新木場駅に着く。人身事故の影響でだいぶ予定がずれたが、何とか無事に到着。
駅のエレベーターを降りると、コンビニやロッテリアの中、その周辺に沢山の人がいる。屋根の下で自己紹介をしているように見えた人達や、ロッテリアの中で6人ぐらいで話している人達はオフ会なのかもしれない。
外は台風11号の影響で強い風と雨。自分は、カッパと折り畳み傘で備える。
コンビニでパンを買って、ライブ会場となるSTUDIO COASTへ徒歩で向かう。途中、多くの折れた傘を発見。また、ライブ会場方向から駅に向かう人がいる。グッツの購入を済ました人達が、雨宿りのために駅へ向かっているのかもしれない。
動画投稿と続きとしてのニコニコ動画
動画投稿しました。
aaplusさんの「+Aエディター」(説明)を使って、AA動画を作りました。
「+Aエディター」はAAの動画を作るソフトウェアです。
正直、自分の作品を見るより、aaplusさんの一連の作品を見た方が、このソフトウェアのすごさが分かります。
動画を作ってみて、3頭身AAを動かす能力が必要だと実感。掲示板に貼るAAだと、歩く・走るという動作は一つのAAだけでなんとかなるんです。いわば、アニメでいう原画の部分(動きの基本となる部分)だけで作品を作る。
でも動画の場合は、アニメでいう中割り(その原画どうしの動きをつなぐ部分)も必要になってくる。これが難しい。
aaplusさんの動画は、その中割りの部分も上手く作っていて、それが凄い*1。
自分もこんな動画作りたいです。
それまでの続きとしての「ニコニコ動画」
話は変わって、別の動画の話。
09年8月16日1時時点のデイリーランキングで3位に入っている動画です。作者の6666AAPさんはAA描き。AA板にいる人たちには、「6666」の方が馴染み深いかも。顔文字系(漫画やアニメのキャラクターなどをトレースしたAA)の人だと思っていたんですが、モナー系(AAキャラクターを使うAA)の方でもあったんですね。
この動画を含めて以前から思っていたのですが、ニコニコ動画はそれまでのネット上での表現活動のあくまで続きなんですよね。2chだけでいっても、FLASH板(カギさん)、カラオケ板(いさじさん、(V)・∀・(V)さん)AA板(6666さん、サ骨さん*2)、VIP板(らっぷびとさん)などの出身の人が活躍しています。他にも、「双葉ちゃんねる」やお絵か掲示板、音楽投稿サイト、ピアキャスト出身の人が、ニコニコ動画で活躍しているのだと思います。VOCALOIDや東方だって、ニコニコ動画以前から存在するコンテンツですしね。
ニコニコ動画以前の創作者達は消えてしまったわけではない。意思があるならば、作品を作り続けている。ニコニコ動画に集中すると、ニコニコ動画以前の状況に目が行きにくくなることがあります。でも、ニコニコ動画は間違いなくそれ以前と連続したものであり、その連続性に注意すれば、いい修論が書けるかなと思いました。
【研究計画書B】インターネット上の限界芸術とコンテンツ産業の関わり
この文章は、5月7日に発表した第2研究計画書です。AとBの二つがあります。
もし、意見がありましたら、よろしくお願いいたします。
1.修士論文アウトライン
題名:インターネット上の限界芸術とコンテンツ産業の関わり
- 序章
- 問題の背景
- 「問題提起・主張」の概要
- 問題設定:インターネット上の限界芸術とコンテンツ産業はどのように関わっているのか
- 問題の重要性
- 主張:
- 各章の流れ
- 第1章 限界芸術論の先行研究
- (1)「限界芸術」の始まりと展開
- (2)ネットにおける「限界芸術」論
- (3)第1章まとめ
- 第2章 インターネットにおける表現活動
- (1)インターネット上の表現活動一般の遍歴
- (2)インターネット上の表現活動がどう見られてきたか
- (3)VOCALOIDの事例
- (4)第2章まとめ
- 第3章 主張・論証・結論
- (1)文化産業論・カルチュラル・スタディーズの援用
- (2)インタビュー調査からの分析
- (3)限界芸術とコンテンツ産業の関係に関する主張
- (4)結論
- 注
【研究計画書A】インターネット上の限界芸術におけるコミュニティの機能――アスキーアートを事例として
この文章は、5月7日に発表した第2研究計画書です。AとBの二つがあります。
もし、意見がありましたら、よろしくお願いいたします。
1.修士論文アウトライン
題名:インターネット上の限界芸術におけるコミュニティの機能――アスキーアートを事例として
- 序章
- 問題の背景
- 「問題提起・主張」の概要
- 問題設定:インターネット上の限界芸術にコミュニティはどのように関わっているのか
- 問題の重要性
- 主張:コミュニティは、限界芸術の源である
- 各章の流れ
- 第1章 限界芸術論の先行研究
- (1)「限界芸術」の始まりと展開
- (2)ネットにおける「限界芸術」論
- (3)第1章まとめ
- 第2章 インターネットにおける表現活動
- (1)インターネット上の表現活動一般の遍歴
- (2)インターネット上の表現活動がどう見られてきたか
- (3)アスキーアートの遍歴
- (4)第2章まとめ
- 第3章 主張・論証・結論
- (1)ネットにおけるコミュニティの先行研究
- (2)インタビュー調査からの分析
- (3)限界芸術でのコミュニティの役割に関する主張
- (4)結論
- 注