事例とそれらから思ったこと。ニコニコのサムネイルが少し重いので、「続きをよむ」にします。
1「アイドルマスター エージェント夜を往く(M@STER VERSION) 真 再UP版」
この動画の詳しい説明は、「「再UP」の非倫理性 - 犬が眠った日」に書いてあります。
要旨を述べると、まず作者であるExceptionErrorさんが作品を削除しました。そして、2chに現れ再upの許可を出します。その結果、再upされたという流れです。再upしたHIさんがコメントで次のように述べています。
※消えていた動画はこれ(sm76535)で良かったようで一安心。2chのキャラスレで情報を集めたものの、少し自信がなかったのです。※あとお詫びも一つ。キャラスレで、作者様の「再うpはご自由に」というコメントがあったのですが、それをここに載せるのを失念していました。ニコ動を見ている方すべてが2ch(キャラスレ等)を見ているわけでは無いんですよね・・再うpまでが早かったため、不快に感じた方もいらっしゃったと思います。申し訳ありませんでした。最後に作者様に、この場をお借りして再うpの報告とさせて頂ます。ありがとうございました。
2「脳・搾取・虎の巻 FullVer」
マキュロPさん作の「アイドルマスター 春閣下 洗脳・搾取・虎の巻FullVer」が権利者削除され、それを誰かが無断再upしたもの。
マキュロPさんは、後に圧縮版を投稿しています。
マキュロPさん自身が「Full再うpはまじ勘弁して下さい」と発言すると共に、観覧者からも再upに対して非難の声が上がりました。
3「The World of GOLDEN Toho」
以上二つは、以前にもこのブログで取り上げたものです。3番目のこれは、最近見つけたもの。
souhaさんが作っていた「The World of GOLDEN Toho」の完成版を誰かが転載したもの。転載した人のコメントを見る限り、souhaさんが「stage6」に挙げたものを転載したようです。
souhaさんはこれ以前にもβ版をニコニコ動画にupしており、完成版も本人の手でupされています。
転載された動画のコメントを見ると、はじめの内は動画楽しむコメントが並んでいます。しかし、souhaさんがニコニコ動画に完成版を挙げたことが分かると、転載したことを非難するコメントが並びました。
これから思うこと。
ひどくオープンでミニマルなアングラコミュニティが成立しているのだ。
はてなダイアリー
権利者が自らYouTubeなどで配信を開始しても、結局多くのひとはニコニコ動画で違法アップロード動画を見ようとするだろうと思われてならないのは、この強固なコミュニティの存在ゆえだ。「場」への帰属意識はそのまま縄張り意識へとつながる。自分たちの縄張りに出しゃばってくるな、という感覚。これは、プロのクリエイターの投稿した動画にしばしば「プロがアマチュアの遊び場に出てくると萎える」という趣旨のコメントがつけられるのと共通する心性だろう。
たぶん「うp主(無断であげた人)」に対抗できるのは、「作者(権利者では無く)」だけ。作者ならその縄張りを崩せる可能性がある。もちろんその前提になるのが、id:y_arimさんの言うように「親近感」があるかどうか。でも、「カラスの巣 ニコ動に投稿している本当のプロによる犯行をまとめてみた」の動画を見る限り、けっこう大丈夫なんじゃないかと私は思った*1。皆、作者と触れ合える機会を楽しんでいるように思える。
あと、インターネット時代の仕組みなのかもしれないけど、プロとアマチュア(同人)の区別はどんどん曖昧になっているんじゃないかとも思う。もちろん、お金を稼いでいるかどうかで比べたら基準は作れるけれども、ネットで見てる限りはプロもアマ(同人)もフラットになっているように感じる。
応答
2008年03月29日 fuktommy niconico, cgm たぶん何かしらのローカルルールがある。ローカルルールの分析とかって法学の管轄なのか。誰かやってみてほしいなあ
はてなブックマーク - 私が知っている、ニコニコ動画で住民が違法アップロードを気にかけた例 - 犬が眠った日
(太字筆者)
ハイ!ハイ!(・∀・)ノシ。自分は法社会学の分野だと思ってます。
*1:id:y_arimさんが、「プロがアマチュアの遊び場に出てくると萎える」という趣旨のコメントに注目したのとは違い